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 最終更新日: 07/30/2025

この動きは何?稀にみられるモルモットの行動


3. 珍しい行動

モルモットと暮らしていると「なんだこれ!」と思う行動や仕草、表情を見かけることはありませんか?ここではそうした「珍しい行動」を奇跡的にとらえた動画・写真とともにご紹介します。

3-1. しゃっくり

ふとモルモットを見ると、頭部全体が定期的に前に出る動き、言うならばハトみたいな動きを目撃したことはありませんか?実はこの現象、しゃっくりなのです。早食いしたり横隔膜を刺激するとしゃっくりが出るそうです。



3-2. くしゃみ

モルモットもしばしば「くしゃみ」をします。チモシーの粉塵はどうしても鼻に入りやすいです。チモシーをケージに入れる際には粉塵が入らないよう注意します。また、チモシーの中に鼻先を突っ込んで食べる個体もいます。与える際になるべく粉塵が紛れないようにしましょう。なお、くしゃみはモルモットにとっては自然な行動ですが、頻繁にくしゃみをする場合は、アレルギーや風邪などの可能性もあるためかかりつけ医に相談しましょう。



3-3. あくび

初めて見た時は驚きました、まるで怪獣じゃないか!と。そう、モルモットも「あくび」をします。個体によっては頻繁にあくびをします。我が家ではモルはよくあくびをしていました。メルはたまに見かけることがありました(図1)。そしてレムは今のところほとんどあくびをしないようです。


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図1. メルのあくび




3-4. 鼻が鳴る

モルモットは鼻が鳴ることがあります。我が家ではモルとレムでしか観測したことがなく、かつ1,2回しか見たことがありません。「ゔっゔっ」あるいは「ぐっぐっ」というような音が断続的に聞こえます。鼻の中に粉塵等の微細なゴミが入ると鳴るそうです。



3-5. 毛繕い

モルモットは自分で全身を舐めることで身体を清潔に保つことができるので、基本的にはシャンプーなどは必要ありません。ただし、お尻周りが汚れやすい個体もいるため、その場合は水で湿らせたタオルなどで拭いてあげると良いでしょう。



3-6. ポップコーンジャンプ

幼いモルモット(1歳未満)は、全身をくねらせながらジャンプすることがあります。体を激しく反らせ捻るたり、飛び上がりつつ180度回転する場合もあれば、ジャンプとダッシュを組み合わせることもあります。こうした行動が「フライパンの中でトウモロコシの粒が弾けて飛び跳ねる様子」に準え「ポップコーンジャンプ」と呼ばれています。「モルモットが嬉しい時や興奮している時に見られる行動」と多くのサイトで説明されておりますが、明確な結論は出ていないようです。「モルモットの肯定的な感情状態を示すと考えられている行動」[1]や「とくに子どもによく見られる、理由もなく突然ジャンプする動き」[2]というように定義されることもあります。発生要因は特定されていないものの、ポップコーニングが頻繁に見られる飼育環境はモルモットにとって良好な環境である可能性が高いと考えられています。ちなみに、ポップコーンジャンプはモルモットの成長とともに減少していく傾向があります。体が大きくなると、ジャンプすること自体が難しくなるためです。とはいえ個体差があり、我が家のレムもそうですが2歳を過ぎても、突然ポップコーンジャンプやケージ内をダッシュで走り回るモルモットもいます。



3-7. マウントをとる

同性同士、特にオスのモルモットは、相手に対して「グルルル」という声で威嚇をしたり、のし掛かったり、腰を振ったり、場合によっては噛んだり毛を抜いたりすることもあります。我が家のモルメルが家に来た日からよくメルを追いかけ回したり、お尻を舐めたり(個体確認もしているのでしょう)、のし掛かって腰を振ったり、体液をかけたりもしていました(文字面だけ見るとすごい・・)。噛んだ(噛みながら毛を抜いた?)ところも一度だけ見ました(下記動画"v1"の01:04)。しかし、半年ほど経過するとそうした行動も減少し、徐々に2匹は仲良くなりました。具体的には絡み合うのではなくお互いの体に顔を埋めたり隣同士で寝たりくつろいだりするようになりました。


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図2. 珍しくメルがマウントをとる
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図3. 可愛い


⚠ 注意: オス同士は互いに傷つけ合うことがあります。オスを複数頭同じエリアに放つ場合はくれぐれもご注意ください。我が家では、主に掃除の時にモルとメルを同じエリアに放っていましたが、必ず視野に含め、頻繁に監視。絡み方が稀に少し激しいときがありましたがその場合はすぐに引き離していました。月日が経つにつれ、危険な絡みはなくなり寄り添うことが多かったので、モルとメルは相性が良かったのだと思います。レムをモルに会わせた際には、レムはモルの鼻を齧りそうになりました。

参考文献

  • [1] Harrup, A. J., & Rooney, N. (2020). Current welfare state of pet guinea pigs in the UK.Veterinary Record, 186(9), 282.doi.org/10.1136/vr.105632
  • [2] Fawcett, A. (2011). Management of husbandry‐related problems in guinea pigs.In Practice, 33(4), 163–171. doi.org/10.1136/inp.d1812